読書感想文を書く時にまようのが書き方ですよね。
やる気になって書こうとしても、うまくいかなかったり。書き出しはうまくいっても、最後どうまとめていいかわからなかったり。
実は、読書感想文には書き方の手順があるんですよ。
そこで、今回は太宰治の『走れメロス』の読書感想文の書き方を紹介します。小学校高学年から、中学生向けに書いています。
あらすじ内容をふくめ、書き出しや、最後のまとめの例文も載せます。是非チェックしてみてください。
読書感想文 走れメロスの書き方
読書感想文には「書きやすい本」と「書きにくい本」があります。『走れメロス』は、昔から教材にも取り上げられることが多く、読書感想文が書きやすい本ですよ。
コンクールで入賞を狙うレベルは別ですが、普通に夏休みの読書感想文のレベルなら大丈夫。ただし、最初から感想文を書き出さずに、「何を書くか」をまとめてから読書感想文を書くようにしましょう。
読書感想文 走れメロスのあらすじを簡単に
まず、あらすじや内容を一応、確認しますね。押さえておきたいのはこちら。
【登場人物】
- ・メロス(牧人 メロスは政治にかかわりのない牧人 単純でのんきな性格)
- ・セリヌウンティウス(石工 無二の親友 メロスとは2年ぶりに再会)
- ・メロスの妹(内気な性格 もうすぐ結婚式)
- ・ディオニス(王様 人を信じられない性格/孤独を感じてる)
要約した、あらすじをざくっと短く紹介します。
メロスは妹の結婚式にいるものを調達するため町にでました。
そのとき、目にした王様の「気に入らないとはすぐ処刑!」の行動をなじり大ピンチ。はっきり意見され腹をたてた王様は、すぐさまメロスを処刑しようとします。
メロスは「妹の結婚式まで待ってくれ」と王様にたのみます。王様は、三日間の猶予をあたえ、もし戻らなければ、メロスの身代わりに彼の親友セリヌウンティウスを処刑すると宣言。セリヌウンティウスも事情を承知をしたうえで、黙って身代わりをひきうけます。
親友のおかげで、メロスは無事、妹の結婚式に参加ができました。
が、王様の元にかえろうとすると、途中で川の氾濫があったり、山賊に襲われたりと、期日の日までに戻れる見通しがたちません。
もう無理だ、と思う気持ちを奮い立たせ、メロスは王様のところにようやく到着。二人の固い絆でむすばれた友情をみて、王様は「人を信じることの大切さ」に気がつき、二人とも処刑を免れ、平和な世の中になりました。
ただ、この単純なあらすじだけでは、共感できませんよね。王様が悪いやつで、メロスがいい人。メロスとセリヌンティウスの二人の友情は素晴らしい!で終わってしまいます。読書感想文に落とし込むには、もう一手間かけましょう。
①本を読んで心に残った部分をピックアップする
実際に本をよんで、心が動いた部分をピックアップすると後から感想文の構成をかきやすいです。
以下、私が「走れメロス」を読んでピックアップした文章です。
・「人の心を疑うのは最も恥ずべき悪徳だ。王は民の忠誠さえ居られる」
- ・「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ」
- ・「わしだって、平和をのぞんでいるのだが」
- ・「罪のない人を殺して、何が平和だ」
- ・「私が逃げてしまって、三日目の日暮れまで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺してください」
- ・「世の中の正直者とかいう奴らにうんとみせつけてやりたいものさ」
- ・「セリヌウンティウスとあうのが2年ぶり」
- ・「セリヌウンティウスは無言でうなずき、メロスをひしと抱きしめた」
- ・「一生このままでここにいたい。
- ・「少しでも長くこの家に愚図愚図ととどまっていたかった」
- ・「一番きらいなものは人を疑うことと、それから、嘘をつく事だ」
- ・「私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ」
- ・「愛する友は、おまえを信じたばかりに、やがて殺されなければならぬ」
- ・「途中で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じことだ」
- ・「友と友との間の信実は、この世で一ばん誇るべき宝なのだからな」
- ・「正義だの、信実だの、間の、考えてみれば、くだらない」
- ・「私を持ってる人があるのだ」
- ・「私は、信頼に報いなければならぬ。いいまはその一事だ。走れ!メロス」
- ・「メロスは来ます、とだけ答え、強い信念をもちづつけている様子でした」
- ・「間に合わぬは問題ではないのだ」
- ・「私は、なんだか、もっと恐ろしく大きなものの為に走ってるのだ」
- ・「私を殴れちから一ぱいに頬をなぐれ」
- ・「メロス、私をなぐれ。同じくらい音高く頬をなぐれ」
・「おまえらは私の心にかったのだ。信実とは、決して空虚な妄想でなかった」
この文章をピックアップした基準は
- ・王様は悪い人なのに、どうしてそう思うの?本当に生まれつき悪い人?
- ・メロスの行動って、ちょっと単純じゃない?
- ・やっぱり正義っていっても、心はゆれるよねー。殺されたくないし。
- ・セリヌウンティウスも勝手に身代わりにされて、迷惑じゃないの?
など。
これ以外にも、腹がたった部分、不思議だとおもった行動、○○の行動は私もそう思う、という部分でもOK。
ピックアップした文章をみると、ストーリーやあらすじは単純でも、登場人物の「揺れる気持ち」がみてとれますね^^
これを元に感想文の書き出しやまとめを考えたり、途中文章を組み立てたり、膨らませたりして、感想文を書いていけます。
文章のピックアップは手間でもしておきましょう。
②読書感想文のまとめシートを作成する
感想文の「元になる素材」をピックアップしたら、次はまとめシートをつくりましょう。
まとめシートの項目です。
- 1.本を選んだきっかけ
- 2.心にのこったエピソード(あらすじの要約)
- 3.エピソードに対して自分が感じたこと
- 4.その理由
- 5.本を読んで自分がどう変わったか?
最初から原稿用紙に書くのではなく、まずは1項目ずつ、書きたい内容を箇条書きにすると後から使いやすいですよ。
箇条書きや文章にすれば、自然に自分の考えが整理できます。後から感想文が書きやすくなりますよ。
【まとめシートの例】
ここでは「約束を守ることの難しさ・人を信頼することの大切さ」にポイントおいてまとめました。
1.昔から読書感想文で多く取り扱われている名作と聞いた。あらすじだけをきくと、とても単純な話に思える。どこが人を感動させるのかが知りたいと思ったので、この本を選んだ。
2.人を信じることができない王様に対して、メロスが「人を信じることの大切さ」を証明した話。
3.メロスは途中、自分の命がおしくなり、逃げ出したくなったのではないか?普通のは思うのでは?
4.結婚式から王様の元にかえるまでの道中の気持ちがすごい。軽く口約束してしまったことの後悔。2年も合ってない友達を「俺が戻れなかったら身代わりに殺してくれ」といったことに自己嫌悪。人との約束を守ることが大切なのか、大変なのかがわかる。いろいろな気持ちを乗り越えて、自分を信じ切って走り抜いたメロスはすごいと思う。
5.メロスも「人を信じる」ことの難しさを痛感したのだとおもう。口でいうほと簡単なものでもないと途中、何度も後悔をしている。でも、ダメな自分や弱い自分を乗り越えて、なりふりかまわず、走りきった。
口でいうほど「約束をまもる」のは簡単なことばかりじゃない。
自分は、約束をまもれているのだろうかと振り返ってもると、ちょっとくらいいいかな、と甘えたこともあるので反省をした
文字数が足りなければ
- ・王様は最初から暴君だったのか?
- ・本当は人を信じたかったのではないの?
- ・セリヌウンティウスの気持ちはどうだった?
・二人の友情は崩れたりしない?
・もしメロスが戻れなくて、処刑されてしまっていたら?
など、エピソードを増やしていきましょう。
読書感想文 走れメロスの書き方 書き出しは?
書き出しがスムーズだと、その後の文章も書きやすいですよね。また、感想文を読む人に「続きがよみたいなぁ」と思わせる工夫も大切です
書き出しのパターンで多いのが
・あらすじから書き出す
・よびかけるように書き出す
・会話やセリフから書き出す
・疑問点から書き出す
・印象にのこった場面からかきだす
・好きなところ・面白いとおもた場面から書き出す
ですね^^
読書感想文の書き出しの例文【走れメロスの場合】
・この話は、人を信じることの大切さをメロスとセリヌウンティウスの友情を通して描かれている作品です。
・「走れ!メロス!」表題になっているこの言葉は、メロスが自分自身にいっていた言葉でした。
・私は、この作品をよんで心にのこったセリフがあります。「私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ」どうして、メロスは殺されるために走るのでしょうか。殺されるとわかってるのなら、逃げるのが普通なのでは?でも、この意味がわかった時に「走れメロス」が名作だといわれる意味がわかりました。
・私が走れメロスを最初に呼んだのは○年前です。図書館で偶然かりました。それから、何回か読み返してみると、読むたびに違う感じ方になりとても面白いです。今回、不思議に思ったのが・・・・
読書感想文 走れメロスの書き方 最後のまとめはどうする?
読書感想文の最後のまとめは、感想文全体の意見と、つじつまがあっていないと不自然になります。「何を言ってるのかわからない」とならないようにしましょう。
まとめにはいくつかパターンがあります。多いのは、
・作者が何をつたえたかったのかを想像する
・作品を読んで強く感じたことを伝える
・作品をよんで決めたこと(目標や希望)をつたえる
ですね^^
読書感想文 最後のまとめ方の例文【走れメロスの場合】
・太宰治は、友情の大切さや人を信頼することの大切さを伝えるのと同時に、約束を守ることの難しさ、人の弱い一面をつたえたかったのではないだろうか。
・この本をよんで強く感じたのは、「人を信じることは大切だ」と口でいうのは簡単。でも、「どんな時でもそれが実行できるか」となると話は別だということ。
・メロスとセリヌウンティウスの友情は固かった。セリヌウンティウスは「もうメロスが間に合わないぞ!」と王様に馬鹿にされ笑われた時も信じ続けた。これはメロスがセリヌウンティウスに普段から「この人だったら信じられる人だ」という小さな約束の積み重ねがあったからではないだろうか。私も、普段の生活を振り返り、「○○さんだったら、信じられるね!」と言われる行動を心がけていきたい。
まとめ
走れメロスは、読書感想文の鉄板です。
ストーリーは単純ですが、深く読んでみると、つっこみどころもあって、面白いですよ。
だって、メロス「裸(全裸)」で走ってるんですよ。
勝手に、親友を「身代わりにしてくれ!殺してもらってもいい」とかいってるし。
読書感想文、名作もいろいろ面白いので、楽しみながら書き上げてみてください^^
▼走れメロスはAmazonのkindleアンリミテッド対象商品です▼
「走れメロス」の本を無料で読む方法
Amazonの「kindle Unlimited(アンリミテッド)」を使えば登録後、30日間は体験期間として【無料】で対象本を読むことができます。
今回紹介をした「走れメロス」は勿論のこと、他にも読書感想に使えそうな沢山の作品が無料対象の本になっています。
「走れメロスだと、ちょっと読書感想文が書きにくいなぁ」という時にも便利です。
是非、kindleのアンリミテッド【無料体験】を上手につかって、夏休みの読書感想文を乗り切りましょう!
▼今すぐ無料体験してみる▼
コメント